オトメアオイ
オトメアオイは山地の林内に生育するカンアオイの仲間で、箱根山や天城山に分布します。
葉はハート形で、地面から少し株立ちになります。
園芸品のシクラメンの葉形に似て、雲紋もあります。
花は地面ぎわに葉にかくれ、7月から咲きはじめ翌年の5月頃まで残ります。
カンアオイ類で夏に咲き出すものは珍しいです。
花は暗紫色で、鐘形のがく筒で先は三角状の裂片が3個で丸く開口します。
丹沢や三浦半島に分布するカントウカンアオイと外見上での区別は困難です。
そのきめ手は、がく筒内面の網目状のたて線で、オトメアオイでは網目がこまかくたて線は15本から21本で、カントウカンアオイはあらく、9本から12本です。
そのほかオトメアオイは六本の雌ずいの先が長く伸び、がく筒がやや筒型で軽くくびれています。
カンアオイ類は山の北斜面に生育することが多いです。
ギフチョウの食草となり、好んで食べるのはランヨウアオイであるといわれます。
オトメアオイは富士川以西のヒメカンアオイが箱根山や天城山の火山地帯に侵入して変化したもので、その分布はまだせまく限られています。
オトメアオイは、その姿が他のカンアオイ類に比べやさしいのでオトメの名がかぶせられ、『オトメアオイ』と名づけられたといわれています。
