ハマカキランとクゲヌマラン
この2つは、ともに神奈川県の湘南海岸が基準標本の産地となる、地生ランです。
海岸のクロマツ林の砂地に生えますが、海岸の整備が進み、生育環境が失われてゆくとともに、個体数は少なくなっています。
ハマカキランは、牧野富太郎氏が記載の伴わない学名を発表したのが1918年。
後に小山鉄夫、浅井康宏氏がアオスズランの変種に位置づけました。
アオスズランとは分布域、生態が異っているほか、全体に大きく、丈夫で花は6月下旬から7月上旬に咲き、桃色、黄緑色など変異が多いです。
分布域は青森県から愛知県まで広がっています。

クゲヌマランは、1935年ごろ東京大学の植物生化学者の服部静夫氏が鵠沼で保養中に発見され、前川文夫氏が新種として記載しました。
ギンランに近縁の種で、最近はその変種に扱われることが多いです。
ギンランより大きく、葉は多数つき、表面は光沢があります。
5月に白色の花を多数つけ、唇弁の基部は距となりません。
鵠沼の生育地は失われ、"幻のラン"などといわれていましたが、1983年に同地に住む塩沢努氏が、100株ほど生えている所を発見し、話題になりました。
しかし乱穫を恐れ、その場所は明きらかにされていません。
本種は青森県から和歌山県、小豆島に分布します。
